夜間中学から考える 学ぶ事・生きること
4月27日厚木で夜間中学についての映画界と意見交換階がありました。
映画「こんばんはⅡ」では様々な理由で十分な教育を受けることが出来なかった人たち、外国からきて夜間学校で勉強する中で自分を確立していった人たち等々の姿がありました。その中で無理矢理日本につれてこられて、夜間の学校が近くにあることで勉強できる幸せを得た1人の女性が、無知が不幸をつくっていると語っていたのが印象的でした。
「学びを求めている人が学べず、今の義務教育で学びを求めていない人がつらい思いをしている。ここに日本の教育、社会の問題が横たわっている」と森監督は以前述べています(2019年1月21朝日新聞)
後半は森泰行監督、前川喜平さん、岩井富喜子さん(あつぎえんぴつの会代表)によるパネルディスカッションで、夜間中学の現状や義務教育確保法が生まれるまでの動き等が話されました。また夜間中学で学んでいる人たちの声として、「ここは怒られないんだよね」「勉強って楽しいね」と紹介され、なんだか胸が詰まりました。
神奈川県教育委員会が2017年末に実施した「夜間中学ニーズ調査」では、相模原市や県央地区での設置を望む声が多かったと聞いています。現在公立の夜間中学は県内では横浜市、川崎市に各1箇所ずつあります。政令市である相模原市では検討する方向であるそうですが、厚木など一般市では制度的に難しいようです。そうであるならば民間で行っている夜間学校を学びの場として、希望者の選択先に出来るような仕組みが必要です。
会場からの発言では、戦争で学びたくても学べなかった世代はもちろんですが、外国から来た人たち、不登校などで十分勉強すること無く形式的に卒業した人たちなど、当事者、家族の方からの声は切実でした。本人が学びたいという意欲をもち、行きたい場所、受け入れる場が必要です。学びは生きることと同じです。その一歩の踏み出しが出来るような取り組みを提案していきます。