ドイツの介護保険制度は家族が基本

2018年8月15日 07時59分 | カテゴリー: 活動報告

ドイツの介護保険制度について、国立国会図書館調査及び立法考査局社会労働課の近藤倫子さんからお話を伺いました。少子高齢化の進展、家族の介護力の低下、認知症の増加など日本と共通の課題を抱えるドイツは、日本より一歩早く(1994年)に介護保険法を制定しました。

ドイツの介護保険の特徴は、介護保険の財源は保険料であり利用者負担や公的資金は入りません。保険料は学生への猶予はありますが25歳以上で原則負担します。保険料率は法律で規定され一律であり(2017年からは2.55%)、子のいない被保険者は割り増しの保険料率です(2.8%)。保険料率0.1%分を毎年「介護準備基金」として積み立てています。

介護の認定は3段階の「介護等級」でしたが、第2次介護強化法により5段階の「要介護度」へと変わりました。要介護状態とは健康上の理由により自立性又は能力に障害があり、6ヶ月以上にわたり他者の支援を必要とする状態と言い障害者も含まれます。
給付については、定率の自己負担はなく、給付の上限を超える分は全額自己負担となります。また、家族介護者への給付をつけることで在宅介護を優先させています。

ドイツでは家族による在宅会介護の支援の優先を貫き、家族介護者の負担を軽減するための制度です。しかし公的資金が入らないために財源は保険料のみで、ニーズに対しての利用は限られていると言います。一方日本では家族による在宅介護は難しく、その対策のために介護の社会化を図り広く支援をしてきましたが、財源の不足によりサービスも区切られ地域へ戻されてきています。日本の被保険者の年齢を40歳以上としている負担のあり方や、独身の子どもの増加などによる家族介護が更に難しくなるという課題の中で、取り入れて良いと思われる事は検討も必要でしょうが、そのまま取り入れる事は無理ではないかと思いました。当人も家族も安心して老後を過ごせる社会をつくるには、やはり現場の声に耳を傾ける事が大事です。