夜間に学ぶ

2018年1月29日 03時43分 | カテゴリー: 活動報告

 現在公立夜間中学は全国8都府県に31校有り、神奈川県内では横浜市、川崎市に各1校ずつあるのみです。そこで先日川崎市の西中原中学の夜間教室についてお話を伺ってきました。

 戦後の混乱期は昼間に働き夜間に学ぶ子ども達が対象であったものの、昭和30年代になると子ども達は普通に義務教育を卒業することができるようになり夜間中学の役割は終わったと判断されました。しかしその後、40歳~60歳代の大人で十分な教育を受けられなかった人が現れたため、昭和50年代にいわゆる手弁当で自主夜間学級が運営され、公立化を求める市民運動となり、9年をかけて西中原中学に夜間学級の設置に至ったそうです。現在では高齢者は少なく主に10代で就学年齢を過ぎた外国籍の子どもの利用が多くなっているとのことです。

 この夜間学級の子ども達は勉強時間こそ夜間ですが、入学式、運動会等学教の行事を学校全体で取り組んでいるため、学校への帰属意識がとても高いと安倍校長先生はお話されていました。また外国籍の子どもにとって日本語の習得を重要視し、1年目に徹底的に日本語を学ぶ事でその後の学習へのハードルを下げる工夫がされていました。空いている教室を有効に使い少人数でのクラス編成も可能になっています。教師の配置については、以前は県の指示の下でしたが、今では市の方針で柔軟な対応が可能だそうです。

 課題としては、夜間学級の存在を知らせる難しさがあり、ポスターやチラシより口コミが一番効果的とのことですが、必要な人に届いてはいないこと。また経済的に厳しい家庭もあるためできるだけ教材費を抑えるようにしていること。給食については個人負担でパンとミルクの提供をしていますが、ここに公的な補助はありません。「給食」とは「昼食」であり夜の食事は対象外であるとの理由です。他にも学校教育法の「学齢」の規定が就学にとって壁となったり、夜間学級の位置づけが法的に無いことなどが大きな課題としてある事を初めて知りました。

 厚木には民間の夜間教室が有りますが、最近では市外からの利用も増えています。これからは本格的に県央地域での公立夜間中学が欲しいとの声も聞かれます。国では2016年に「教育機会確保法」ができ義務教育の就学の機会の提供について定められました。1人1人に合わせた学びの場がある事が世の中を少し変えていく力になると信じ、微力ながらも支援していきたいと思います。