宮ヶ瀬ダムと観光振興

2017年10月23日 18時15分 | カテゴリー: 活動報告

日本版DMO候補法人登録記念シンポジウムがありました。

基調講演は「宮ヶ瀬ダム観光計画の誕生秘話」と題して竹松公太郎氏(NPO日本水フォーラム代表理事)から宮ヶ瀬ダムの計画の始めの話をうかがいました。江戸時代の関東平野の水の流れ、横浜開港の理由、横浜水道の歴史、芦ノ湖の水利権の問題等々、学校の近代史の授業を受けているような錯覚に陥りながら、興味深いお話でした。特にダムの計画当初から、将来の地域作りが下地にあったと言うことは意外でした。巨大な人工工作物とその活用についての工夫が、昭和40年代から計画が始まり竣工して20年以上経過した今知ることになるとは意外なことでした。ダムと言えば、八ッ場ダムの事を思い出し、無用な工事ではないかと言われその存在について賛否が分かれた事がありました。個人的には宮ヶ瀬ダムについても疑問がなかった訳ではありません。しかし首都圏の渇水問題がニュースになっても、神奈川県の水については心配したことはありませんでした。この夏、初めて水位が最低となり不安はあったものの節水制限にまでは至らなかった理由が宮ヶ瀬ダムと相模川水系の連携にあるといいます。宮ヶ瀬ダムの特殊性も初めて知りました。
 
講演に続くパネルディスカッションでは、萩原雅紀氏(ダム写真家)からはダムの面白さやダムカードの発案について、亀村聡氏(東京農大大学院生)からは宮ヶ瀬の自然と動物の生態について、山田一夫氏(NPO法人きよかわアウトドアスポーツクラブ)からは湖を使ってのカヌー教室や様々なイベントについての報告があり、観光資源としてのダムの活用の工夫が示され、今後への期待が語られました。参加者からは、現在営業しているダム付近の観光施設の事業者の高齢化、収益を上げるための努力など苦労されている様子もお話されました。
一口に地域観光と言っても利用者がなくては成り立ちませんし地域の力だけでは解決出来るものではありません。今回のシンポジウムには県の担当者の参加はありましたが、地元自治体の関係者の姿は見えませんでした。日本版DMOを取るにあたってエリア設定では愛川町、清川村の全域、及び相模原市の一部、厚木市の一部(飯山、七沢地域)も含まれているのであれば、厚木市としても積極的な関与が求められているのではないでしょうか。駅前だけに注目せず、広域的な観光資源の活用に取り組みにはよいチャンスです。

*日本版DMOとは、地域の「稼ぐ力」を引き出すと共に地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人である。(官公庁HPより抜粋)
 要するに稼ぐ観光地をつくるために主体として活動出来る法人のことです。今回、公益財団法人宮ヶ瀬ダム周辺振興財団が、平成29年5月12日に観光庁から日本版DMO候補法人として認定、登録されたことを記念してのシンポジウムです。