農業と福祉の連携~視察報告

2017年5月12日 13時30分 | カテゴリー: 活動報告

毎年この時期には各常任委員会の視察があります。今年の市民福祉常任委員会の視察先は広島県尾道市にある社会福祉法人尾道さつき会「すだちの家」です。この法人は尾道を中心に障害者向け事業(19施設)、教育事業(1事業)、高齢者向け事業(17施設)を展開中で、その中で障害者向け事業の「すだちの家」は生活介護、就労継続支援B型に取り組んでいます。就労継続支援B型の「水耕栽培」には10人の利用者と4人の指指導員で運用され、ほうれん草、水菜、小松菜等が栽培されています。ビニールハウスはAB棟があり総面積1,302㎡(394坪)、事業費は94,123,500円。県からの補助金が75,600,000円、自己資金が18,523,000円、市からの補助はありません。事業の立ち上げの経緯は、平成22年度の工賃倍増計画のスタートで平成244月から水耕栽培事業を開始しました。

安定した作業量の確保で利用者の工賃は、平成23年度平均13,220/月から平成27年度は23,603/月へとアップしています。平成28年度では工賃時給は324円で広島県平均時給の204.2円を大きく上回っています。工賃の決定については法人内の規定があり、本人の能力に応じて評価されています。従って障害の内容(精神、知的)ではなく本人の作業への理解や姿勢・努力が反映されています。収穫されてからの販路は地域の「道の駅」等で販売されています。

作業の様子を見せてもらいました。靴を履き替え土のないハウスの中では「ロックウール」に種を植え付け専用室で発芽させた後、平面に移して約2週間で出荷です。水や肥料は全てパソコンでコントロールされており、必要とされる人手は種まきと植え替え、道具の洗い、収穫作業です。収穫後は別の作業棟で枯れた葉等を手作業で取りパッキングしています。ここに地域の方の支援も入り作業が進められていて、それぞれの声の掛け合いでお互いをねぎらう言葉が聞こえました。

今回の視察の目的は「農福連携」の現場を見ることでした。ビニールハウスでの水耕栽培はそれなりの投資と補助が元にあり、今後事業を継続するための課題もあります。しかしそこが地域とのつながりを持ち社会への入り口となっています。収入を増やして工賃を増やす事だけが目的ではなく一人一人が社会とつながる背景を理解する機会となりました。施設を出た後道の駅に寄り、「水耕栽培」のほうれん草などの売られている様子を見てきました。食べ物で地域社会とのお互いの存在感を確認できる場所です。