「中高年齢化するひきこもり者と家族への支援を考える」報告会にて

2017年3月27日 02時28分 | カテゴリー: 活動報告

322日、インクルージョンネットかながわ主催で「生活困窮者自立支援事業における中高年ひきこもり者とその家族への効果的な支援に関する研究」報告会がありました。

1部基調講演は玄田有史さん(東京大学社会科学研究所教授)から、誰もが孤立する世の中を前提として、高齢化社会でも意外と多く地域にいるひきこもりの若者が「あてにされる」ことでその存在の意義がある事を、秋田県の藤里町の例をあげてお話されました。

2部の調査の報告を受けて第3部のパネルディスカッションでは当事者も参加して明石紀久男さん、石井正宏さん、新保美香さんらの意見が交わされました。

その中で「アウトリーチ」つまりひきこもりへの家庭訪問については賛否があり、声を出したくても出せない人の声を拾うのはとても困難なことです。本人に代わり家族を代弁者としてその声を拾ってしまう危険性がアウトリーチにある事を理解しました。クライアントは本人である事を忘れては支援が出来ません。

大切なのは常に本人の意思が何であるかを引き出すことであり、支援につなげるには長い時間と技術が必要です。また当事者にとって家族との関係性が生きづらい原因となる場合もあり、複雑であるが故に本人がSOSを我慢して苦しみ続けてしまう事に気付かなければなりません。また働いて収入を得る事を解決策として求められがちですが、働く意味は人により異なるため、お金に換算出来ない働き方もあることを周囲の人が理解する事が重要です。本人支援と共に家族への支援をするには社会が懐深く受け止める力を持つ事であり、そこに包括社会の課題をみました。

当事者の方の「今は元気にしているけれど、決してひきこもりは終わった訳ではない」の言葉が印象的でしたが、「それぞれが生き合っていく」との明石さんの言葉に救いを感じて帰ってきました。このような取り組みの必要性は高いのですが、さて厚木では中高齢化するひきこもり者へのアプローチはどうなっているのでしょう。働く意思があれば若者サポートセンターの活用もありますが、まず家から外に出るための支援の現状が見えません。行政が相談に来てくださいと待っているだけでは始まりません。地元での踏み込んだ積極的な支援のための体制がどうなっているのか、調べてみようと思います。