地域の移動を担う~福祉車両の活用~

2017年1月21日 11時17分 | カテゴリー: 活動報告

毎日の生活において高齢者や障がい者等の外出の機会をどう支援するかが身近な課題となってばらえん_ばら苑依田さんいます。運転をしない方、車の運転をやめてからの自由な移動をどうやって続けていけるかは、それぞれの生活の質を左右することにもつながります。神奈川ネットでは参加型福祉政策の一環として地域での交通手段についてのフィールドワークを実施しました。

今回伺ったのは、川崎市麻生区にある社会福祉法人一廣会かないばら苑で、苑長の依田明子さんから実践のお話を伺いました。

かないばら苑では日々のデイの朝晩の送迎の間空いている福祉車両を活用して、地域のサロン(3か所)への無料の送迎をしています。運転はボランティアで、専任のコーディネイターによりメンバー間の情報のやり取りもうまくいき、ボランティアメンバーのそれぞれの特性を生かした運用が工夫されています。複雑な仕組みはいらないとのこと。

もともとは、家庭に引きこもりがちな高齢者をいかに外に出すかを考えた時、空いている福祉車両をボランティアで使うことから始まり、結果的には社会福祉法人の活動として位置づけられてきたものです。2010年から始まり現在まで123回(延べ1316人)の利用実績となっており、2015年からは障がい者施設からの依頼にも対応しています。地域の高齢者の交流の場は多いけれど、「自力で通える人」「家族に送ってもらえる人」に限られていた状況を転換できたわけです。

また、かないばら苑では年間4,200名(延べ)のボランティアの受け入れがあります。初期の頃は年間約1000名程度だったものが、ボランティア同士のつながりから現在の数に至ったとのこと。これからの福祉分野は財政的に今までと同じではなくなってきており、人手不足や財政面で今後は地域のボランティアなしではやっていけないとの言葉は印象的でした。

社会福祉法の一部改正により法人の財務規律の強化と共に地域における公益的な取り組みを実践する責務として無料又は低額な料金で福祉サービスを提供することを責務として規定されましたが、手厚い支援をめざすには課題は多いのが現状です。有効な税金の使い方と地域にある力を捉え活用できるよう考え提案につなげます。麻生区のように坂の多い地域での生活を思うと、移動サービスは重要な課題です。