「社会的自立ができない生きづらさを抱える若者がいる」

2016年11月14日 06時20分 | カテゴリー: 活動報告

生活困窮者自立支援全国研究交流大会、分科会5は「社会的自立ができない生きづらさ抱える若者がいる」で、加藤彰彦さん(沖縄大学前学長)の基調講演から始まりました。1980年代までの高度成長時の価値観は、お金・モノがあることが幸せと思われていた反面、本来人間にある‘生きる力’がなおざりにされていた。親は子に「学校が大事よ、勉強ができればいい子」と説き、学校の価値観が生活をしばり、言われたことに従う「受動的な」生き方は「能動的な力」を減少させていた。時が過ぎ、社会の様相が変わっても私たちはこの価値観を変えることができずに、従うことができない子は不登校となり学校にある価値観から外れていく。学校文化の中に暮らしを学ぶ場が十分に用意されて来なかったことが原因だと。子どもたちは学校と塾と習い事に明け暮れ、異年齢集団との交流や地域社会と離れて育つ環境が、社会でうまく生きていけない若者を生み出す背景だと言います。まさしく私たちの世代がこの価値観のまっただ中で生きて子育てをしており、未だ脱却できていないことを再確認することになりました。

一方で「NPO法人くらし協同館なかよし」の塚田教子さんからは、生協の支援を活用して、高齢化した古くなった団地の中でお互いさまの関係を築きながら地域支援に取り組む活動がありました。高齢者や障害のある子どもたち、貧困にある生活状態を地域の手で支えながら多くの出会いと発見をつなげている実践は、少しはみだしても地域で受け止めていける可能生を示してくれ、希望につながります。

現代の若者の生きづらい社会にとって「居場所」「仕事づくり」「学校の改革」が必要であり、人の価値観が変わるには100年かかるが時間をかけて希望を持つことが大事だと締めくくりましたが、多様性を受け入れるまちづくりのヒントを得た分科会でした。