3.11から5年5か月~小出裕章氏の講演

2016年8月21日 11時19分 | カテゴリー: 活動報告

福島原発事故以来5年5か月が過ぎたこの8月、脱原発セミナーがあり「3.11から5年 なぜ日本は逆戻りしているのか」と題して小出裕章氏の講演を聞く機会がありました。広島原爆の話からなぜ自分が原子力の研究に取り組んだのか、そして現在の考え方に至ったのかを前段として、原子力発電のリスクと放射性物質の危険性についてお話されました。

100kwの原子力発電所1基が1年間の運転で燃やすウランの重量は1トンであり、広島原爆で燃えたウランの重量は800gと比較すると約1000倍である。そのウランも資源的には枯渇してきているので再利用が進められてきている。電力の恩恵は都会で受け、危険は過疎地に押し付けられている不公平・不公正が続いている。福島原発事故で大量に放出された放射性物質の汚染は今後も続いていき、家族生活の分断も解消されないままになっている。何の責任もない子どもたちが被害者となっており、その責任を誰も担おうとしていない。誰も最終的に責任を取らずに曖昧なままに各地で再稼働が進められようとしているが、避難計画は各自治体に押し付けて国としては責任を取ろうとしていない。そして何もなかったようにしようとしている。と、5年以上が過ぎても政策の進む方向に変化がないことに言葉が強くなっていったように感じました。「記憶のない歴史は、繰り返される」との言葉で締めくくられました。

その後で、(福島原発東京訴訟原告団)熊本美彌子さん、古川良子さん、(郡山市議)へびいし郁子さん、(原子力資料情報室)澤井正子さんらから、避難の現状と保障問題、放射線被ばくの問題、賠償問題等について報告がありました。特に帰還と賠償については大変に繊細な問題であり、精神的な苦痛で多くの人が苦しんでいる現状を伝えていただきました。避難者への住居支援も来年春には打ち切られることへの不安は生活を脅かしています。

一言に5年が過ぎたというには、未解決のことが多すぎて短時間で心に__納めるすることは困難でした。今なお福島原発事故地内では設備の倒壊などで新たな汚染の可能性も危惧されていることも一般的に報道されることもなくなり、私たちが情報の受け手でしかなく、積極的な取り組みについて出来にくい現状があります。原発の稼働なしにこれまでの夏冬を乗り越えてきた現実経験から、今後の廃炉等の原発政策については事故の教訓に基づき早急に進められることこそが国民の意思であると考えます。逆戻りは許されません。