介護の社会化を後退させない~介護保険プロジェクトフォーラムから

2016年5月23日 08時06分 | カテゴリー: 活動報告

神奈川ネットの介護保険プロジェクト中間フォーラムで大河原まさこさん(前参議院議員)のコーディネイトで、服部万里子さん(日本ケアマネジメント協会副理事長)から介護保険についての現状と今後の課題についてうかがいました。

2000年に介護の社会化を目指した介護保険制度は、3年ごとの見直しの過程で当初の目指した形からどんどん離れてきています。昨年の第5次改訂において報酬は2.27%の削減という今までにない大きな改定があり、要支援1.2を給付から外しました。次期以降の改定では要介護2までを給付から外し、前期高齢者の2割負担、捕捉給付の削減による利用者負担増が組み込まれようとしています。サービス利用者の6割が要支援1~介護2である部分を市町村事業に移すことで保険対象は重度の要介護者に絞られます。給付から外れることで対象者は25項目のチェックリストでのみ状況を判断され、今までのように認定のための主治医の意見は不要であり、アレルギーや補足的な判断が支援者側に共有されなくなる危険があります。この背景には膨れすぎた医療費の削減を求める財務省のもくろみがあり、それに対して厚労省の視点も市民の立場に向いていないことが分かります。見方を変えれば介護保険は最初から中重度に焦点があったことになります。要介護1.2は認知の進行や病気で決して自立出来ているわけでなく、在宅生活のためには家族の介護離職もさらに増えていきます。

内閣府には30万の病床を減らす計画があります。最近厚木市でも小規模多機能型施設やサービス付き高齢者住宅が増えてきていますが、その裏には病院を早期に退院し在宅に持っていくための誘導があります。高齢者の受け皿は増えますが、一方でそこには今までの地域での生活を続けていきたいという気持ちを表明し選択できる自由は少なくなってきています。

このままでは40歳以上の保険料を納める市民にとって、いざとなったら使えないのでは保険の体をなしていません。参議院選挙の後に一気に具体化すると思われますが、払い続けても使えない介護保険にならないように利用者の立場から、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるような制度になるよう声を出していきます。そこには誰にも分かり易い情報提供と同時ににたくさんの市民の関心も必要です。「ただただ怒りを感じます。」とのコーディネイターの言葉にうなづいた参加者の多くが現場に関わる方であり、その怒りは利用者の声でもあると感じます。__ 1__ 2